もう一度、さよなら

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次の瞬間に、彼は あたしを抱き締めた。 強く、強く。   『……ッ!?』   言葉が出ない。   『どうしたら、好きになってもらえんの?ずっと、みなみを守って来たのは俺でしょ?』   強気な言葉とは 反対に何故か強く 抱き締めている腕は、 手は震えていた。   これ以上、あたしの 心に入って来ないで。 本当に、あなたがいなくちゃ 生きられなくなる。   『離してってば!あたしは、嫌いって言ってるでしょ!?最低男!』   『……』   涙が溢れそうになる。 お願いだから、彼と さよならするまで 堪えていて。 あたしは、必死に 我慢をした。   『柳沢華林と付き合ってるくせに、どうしてこういう事が出来るのよ!あたしに、さよならしたじゃない!なのに、なんで、なんでこんな事できるの!!』   彼を押す。あたしから、 いとも簡単に離れた。   あぁ、これで あたし達は終わる。 恋人にもなれない。 友達にもなれない。   『……裕樹、さよなら』  
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