真実

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あたしは、前と 変わらずに 学校に行く。   唯は、あたしの記憶が 戻った事を聞くと 本当に、本当に 嬉しそうだった。   あたしには、たくさんの 友達がいるんだ。 たくさんの 繋がりがあるんだ。   なのに、   あたしの心は 満たされない。 何も感じない。   笑ってるのに、 笑えない。 変な話よね。   ただ、みんなに 合わせて顔を 作っている。   その度に気付きたくもない 気持ちに気付かされる。   あたしには、裕樹は、 彼は本当に大切な人 だったんだと。   あたしは、本当に 彼の事が大好きだったんだと。   何度も頭の中で否定する。 もう、終わったんだから 忘れなくちゃ。 だけど、その度に 彼との思い出が あたしを支配しよう とするんだ。   『みなみ、裕樹君に本当の気持ちを伝えたら?』
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