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数々の疑問が浮かぶ。
わけが分からない。
『みなみ』
静かに彼が
あたしを呼ぶ。
『みなみ、黙らないで。何か話してて。みなみの声が聞きたいんだ……。俺は━━』
「裕樹!」
彼が話すのを遮って
電話の向こうから
声がした。
女の人の声。
多分、柳沢華林。
「誰と電話してるのッ!?あの女とじゃないでしょうねッ!?うッ━━」
『華林!大人しくしてろ。大丈夫だから。』
遠く離れた所で
彼の声と柳沢華林の
声が聞こえた。
「わ、私から離れないでよ?約束したでしょう?さ…最後まで…一緒に居てくれる…って!」
苦しそうな声が
聞こえた。
そして、その声に
彼が頷くのも
聞こえた。
あたしは、固まった。
何も考えられない。
もう、あたしを
巻き込まないで欲しいと
思った。本気で。
あたしは流され
やすいみたいだから。
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