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あたしの声は。
届かなかった。
彼は、振り向きもせずに
彼自身の家を通り過ぎて
あの道を行く。
“病院”への道を。
『裕樹…。』
もう、呟く事しか
出来なかった。
帰ろうと思って
歩いて行くけれど、
彼の家の前で
足が止まった。
彼の部屋を眺める。
すると、ちょうど
裕樹のお母さんが
家から出てきた。
『あら、みなみちゃん。』
『こ、こんにちは!』
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