高1:夏

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  気付いたんだ。   あたしには アイツしかいない。   側に居てくれないと さみしくて、さみしくて 耐えられない。   生きていけない。     なだめる親友の唯(ユイ)。 あたしは先生が来るまで 泣いたままだった。     先生が教室に入って来た。   『ほら~立て始めっぞ。』   だるそうな声を上げている。 起立と号令が上がり立つ。 あたしはなんとか泣きやんでいた。 でも、赤い目は隠せなくて。   『あれ~高杉、なんか目赤くない?泣いたの?』   『ん~まぁ…』   前にいる男子にそう声をかけられ、濁すアタシ。   隣の女の子にも『どうしたの?』と聞かれて気まずかった。   まさか、 『メールが来なくて泣いたの』 なんて言えない。
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