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ジロジロと下校中の
生徒があたしを見る。
男子なんか今にも
ナンパして来そうな程に
軽そうな奴ばっかり。
『あ~、あの子のパーマ
可愛い!!』
『まじだ♪っか、なんで
こんな所にいるんだろ。』
丸聞こえな声。
あたし可愛くないし。
これ天パだし。
そう思いながら
髪の毛の先を
指先でいじり
あいつを待つ。
そう、裕樹を。
ただ無性に腹が立って
しょうがなかったんだ。
だから、
裕樹の学校まで
来てしまった。
文句でも言って
やろうかなって、
思っただけ。
だけど、
来るんじゃなかった
って後悔したんだ。
『ね~ね~、一人なん?』
(げ、ナンパ!?)
あたしは目だけ
相手の事を見た。
『誰か待ってるの?』
『ぅ、うん。』
随分と軽そうな男。
でも、あたしの学校に来たら、
こういうの好きな人に
モテるだろうなって思った。
目の前のナンパ男は
話続けてる。
その声なんて耳に入らない。
ただ、あたしは
生徒達が出てくる
玄関を見ていた。
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