高1:夏

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  (あっ!)   ナンパ男が話続けてる中 裕樹が玄関から出て来た。   『ひろ……』   『待ってよ!裕樹!!』   あたしは掛けようと 思っていた声を止めた。 後ろから女の子が 裕樹の後を 追いかけていたから。   裕樹はあたしに 気付いてない。   でも、着実にあたしに 近付いて来ている。   『━━でしょ?』   『へ?あ~、ぅん。』   ナンパ男が何かを 言ったけど あたしは話しなんて ちゃんと聞いて いなかったから、 相手が何を言ったのか わからなかった。   だから、 適当に相づちを 打った。   ━ガッ━   『ぅへっ!?』   変な声が出てしまった。 だって、ナンパ男が いきなりあたしの 手を掴んで来たから。   あたしはナンパ男を見る。   『んじゃ行こ?』   満面の笑み。 つられて笑うけど…、   (えっ!?どこに??)   引っ張られて 連れて行かれそうに なったあたしは、 裕樹に助けを求めた。   『ひ…裕樹!』  
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