高1:夏

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  裕樹は最初誰に呼ばれたのか 分からなかったみたいで キョロキョロしていた。 でも、隣に居た女の子が あたしを指差す。   『みなみ!?』   裕樹はあたしに 駆け寄って来た。   『あ、すいません。 こいつ俺の連れなんで…』   裕樹はナンパ男に低姿勢で 謝りつつ言った。 でも、目は強く相手を 見ていた。   『な~んだ。可愛い子と ヤレルと思ったのになぁ~』   (は!??ヤレル?あたし ヤラレそうになってたの!??)   ナンパ男は、 ぱっと手を放して 去って行く。   『みなみ、なんで こんな所にいんの? こんな馬鹿高に来たら ナンパされるの 分かってたでしょ?』   『…』   あたしは黙った。 裕樹から視線を外すと 裕樹の後ろで女の子が あたしを睨んでいた。   『みなみ聞いてんの?』  
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