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    その一週間後に、自宅に帰る事になった。   みんなが玄関に集まる中、見送ってくれる人がじいちゃんしかいなかった。     「あれ?ばあちゃんは?」   じいちゃんは少し不安そうな顔をして     「台所だと思うんだが」   と歩いていった。   少し時間がたってからだった。     「救急車を呼んでくれ!!!」   じいちゃんが叫んだ。   皆があわてて駆け寄ると       ばあちゃんが倒れてた。       親父は携帯で救急車を呼び、母さんはずっとばあちゃんの側にいて「お母さん!?」と呼びかけていた。   俺は頭が真っ白になりながら、じいちゃんの顔を見た。     じいちゃんは焦る様子でもなく、切ない顔でばあちゃんを見つめていた…   普通なら…テンパったりするのに   ただひたすら、見つめていた。       最後を見届けるように…       救急車に皆は乗り込めないので、じいちゃんと母さんが救急車に乗り   俺と父さんは自分らの車で救急車の後ろをついていった。    
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