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三日後…
ばあちゃんの鎖は切れた。
すぐにお通夜が行われて、じいちゃんは不謹慎なくらいにケロッとしていた。
裏ではわからないが、元気だった。
何故かって?
それは覚悟が出来ていたからだろう。
ばあちゃんが霊柩車で火葬場まで行く時、親戚一同は大きなバスに乗り移動する。
俺はじいちゃんの隣に座った、その時じいちゃんは俺に囁いた。
「ばあちゃんが焼かれてる時にな、大雨になって。帰る頃に虹がかかるぞ」
何をいきなり言い出したのかとビックリした。
まさかボケたのかな?
そんな偶然あるわけないだろう
そう思ったが、あまりにもじいちゃんが満面の笑みなので
「だと…いいね」
と、苦笑いした。
そして火葬場に着いた。
ばあちゃんが煙りになる時、なんの拍子もなく火葬場のホールには「ザァー」という音が響き
ばあちゃんが姿を変えて、係員の人が聞きたくもない喉仏の説明をしてる時
さっきの音はなくなった。
一通り終わって火葬場から出ると
今まで見たことも無い大きな虹がかかっていた。
まさか…本当になるとわ…
俺がじいちゃんの顔を見るなり
じいちゃんは空に向かって叫んだ。
「ばあさんはなぁ!!虹が大好きだったんだぁ!!!」
大きな虹は存在を主張するように、キラキラと輝いていた。
…そりゃ、覚悟も出来るだろう。じいちゃんには
未来が見えたんだから
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