日常から非日常へ

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俺らはそのまま「受験はつらい」だの「早く皆と遊びたい」だの愚痴を言いながら自転車をこいでいた。 自転車をこぎ始めてから約10分。 ようやく毎日通っている学校、「杉北高校」に到着した。 校庭の中央に大きな木が植えられており、いつも俺たち生徒達から邪魔もの扱いされている。 この学校は比較的校則も緩く、法に触れないこと以外なら大抵のことはしても良いらしい。 学校いわく生徒の個性と自主性を育てているとのことだ。 校舎は1階に職員室や保健室、2階は3年生の教室、3階は2年生、4階は1年生となっている。 他には体育館や実験などを行う特別棟などがある。 真也と俺は共に3年2組で、ここの担任の高橋 実(タカハシ ミノル)はかなりの体育会系で校内では声と態度が大きいことで有名だ。 校門をくぐり自転車を置き、俺は鍵もかけずにそのまま自分たちの教室へと向かっていった。 「なぁ、うちのクラスの奴らも昨日のゲームのこと話してるかな?」 ふと疑問に思った俺は真也に聞いてみた。 「うちのクラスのことだからみんなで騒いでるだろ。 多分何人かはそのチラシを持ってきてるよ」 と真也は笑いながら教室のドアを開けた。
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