日常から非日常へ

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「ほらな?」 真也は少し自慢気に言い、ゆっくりと教室を見渡しながら入っていった。 教室の中には既に15人程度の人が来ており、全員が1つの机に密集して何かについて夢中で話しているようだ。 その証拠に2人が入ってきたのにも関わらず誰一人も気付いていない様子だった。 俺と真也は自分の席にカバンを置き、クラスメイトのところへ近寄って行った。 「なぁやっぱこれかなり面白そうじゃね?」 「てか世界同時発売ってかなり珍しいよな!!」 「でも全然ゲームの内容が見えてこなくないか?」 やはりこの集団の話題も昨日のチラシのことらしい。 「よぉ。俺らも話に混ぜてくれ」 俺は人の山を足でつつきながら言った。 「あ!おはよ。真也に和人。 2人ともこのチラシ見た?」 クラスで一番のお調子者の田所 凌馬(タドコロ リョウマ)が2人に気付き、机のチラシを2人に見せながら聞いてきた。 凌馬は少しパーマがかかった髪を長く伸ばし、耳には俺と同じくピアスを着けている。 学ランの下には青いTシャツを着ていて、いつも学ランのボタンをしめてはいなかいのが特徴だ。 「知ってるよ。 俺らも朝その話をしてたんだ」 俺はチラシを受け取りながら答えた。 チラシはB-5サイズで真っ赤、かなり目立つようにできていた。 そしてチラシには銀色の大きな字でこう書かれていた。
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