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両チーム整列し、試合が始まった。
夏の予選の1回戦と比べると、グッと観客が増えている。
やはり、神代高校との死闘は話題になったからだろう。
そんな中、1番バッターの東 祐介が左打席に入った。
コンッ
目にも止まらぬ速さでの速攻だった。
試合開始の合図と共に、小町が投じた直球をセーフティバント。
あっという間に出塁した。
2球目。
左のオーバーハンドから白球が放たれる。
「走ったぁー!」
内野から声が上がる。
盗塁成功。
2球でランナー2塁という形を作った。
そして2番の東 涼介は3塁側に転がす送りバントを決め、1死3塁の先制のチャンスを作った。
ここで、打席にはミート力の高い千葉。
シュッ
パシン
しかし、肩に力が入ったか
千葉をストレートの四球で塁に出す。
打てそうな球でもボール球はなるべく見逃す。
今までの北桜ならボール臭い球を振らされ、ことごとく内野ゴロを献上していただろう。
しかし夏場の、西条を打撃投手にした練習で、選球眼を鍛えることに成功した。
1死1、3塁。
絶好のチャンスで打席には1年生ながら4番を任された藤井が入った。
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