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その後、優聖は来る日も来る日も投球練習を続けた。
6時半から始まる朝練もほとんど投球に費やし、放課後もとにかく投げ込んだ。
─5月─
監督「若林、そんなに投げ込んで肩は大丈夫なのか?」
優聖「はい。今、感覚を掴みかけてるこの時に【スライダー】を自分のものにしたいんです!」
監督「しかし、肩を壊したら元も子もないからなぁ。」
監督はしばらく考え込んだあと何かを思いついたのか、口を開いた。
監督「よし、紅白戦でもやろう!」
優聖「紅白戦ですか?」
監督「そうだ。実戦で投げたほうが練習の何倍も効果がある。」
優聖「ありがとうございます。…けど監督、うちは16人しかいませんよ?2人足りないですけど…。」
監督「そこは任せとけ!卒業生に頼んでみるからよ。」
優聖「大学生…ですか。」
監督「大学生って言ってもほんの2ヵ月前までは高校生だったやつだ。そんなにお前らと変わらないから安心しろ。」
優聖「そうですか。わかりました。」
監督はスクッと立ち上がるとみんなを集めた。
監督「全員集まったな?…よし、いきなりだが今週の土曜日に紅白戦を行うことにした。」
部員「待ってました!」
部員「燃えるぜ!」
監督「両チームのメンバーは、出来るだけ均等になるように俺が決める!わかったか?」
部員「はい!」
監督「よし、じゃあ今日は解散。」
部員「ありがとうございましたー。」
そして数日経ち
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─迎えた土曜日
監督「よし、じゃあ始めるぞ!」
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