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「やめて下さい」
「別にいいだろ」
「いや、誰か助けて」
暗い路地裏に四つの人影がある。
一人は少女で三人の男に取り囲まれてる。
(怖い、誰か)
今日は陽射しがとても心地よかったため、歩いて学園にむかうことにした。
けれど、それが裏目に出てしまった。
「どうでもいいけどさっさとしろよ、サツにばれると面倒だ」
その結果、私は誘拐されそうになっている。
「ハイハイ、そういう訳だから大人しくしててね、お譲ちゃん」
男の人の手が、私を無理矢理捕まえる。
「いや、やめて下さい!!」
「暴れたって無駄なんだからさぁ」
「痛っ」
ギリギリと乱暴な力で腕を握り締められた。
その痛みがより一層恐怖を掻き立てる。
「いやぁ、誰か「うるさいんだよ」
叫ぶ前に口を塞がれた。
「いい加減理解しなよ。助けを呼んだって誰も来ねぇよ」
それでも、必死に抵抗する。
「んー、んー」
(怖い、お願い誰か来て)
心の中で必死に叫ぶ。
「いいから来いよ!!」
男が少女を無理矢理連れ去ろうとする。
もうダメだと思った時
「何やってんの?」
救いの声が舞い降りた。
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