星の指揮者、物語を紡ぐ。

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機体は漆黒の闇に浮かび、神が散りばめた光のビーズが、無音のオーケストラを形成している。 漆黒の中に浮かぶ一つ一つの奏者たちに、俺は夢中で力一杯のタクトを振った。 今にも響いてくるようである。 幾千の管楽器と弦楽器の織り成す、無限の可能性が造る宇宙という名のクラシック。 ソロ。デュエット。トリオ。カルテット。クインテット。 俺の求める楽器が、一つ、また一つと増えていくと、譜面のない宇宙が少しずつ顔を出す。タクトを振れば、それはまだまだ増えていく。 セクステット。セプテット。
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