第一章 放課後(The Boy and The Girl)

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 早々にエレベーターに乗り込む雪を追いかけながら、これからの生活を想像する。  ご覧の通り無表情系少女が四六時中隣でマイペースなことを延々のたまっている。 「……あー。楽しい生活になりそうだな…………」  何故だか気持ちが昂らない。  いや、きっとそれは病み上がりで学校に行ったせいで、疲れているからだろう。そうに違いない。  二人だけで乗り込んだエレベーターが五階を示したところで停まる。 「……なあ」  気持ち控えめに切り出す。  無骨なドアが音もなく開くと、オレンジ色した西日が差し込んでくる。  雪は呼びかけたにもかかわらず、自分の行動を中断させることなく、エレベーターから出ながら「なに」とだけ返してきた。  一、二歩遅れて雪の後ろについて歩く。  自然、用件は彼女の背中に向かって呼びかける形になる。 「そういえば、静はどうしたんだ? あいつも『何故か生徒として』ウチの学校に来るんだろ。今日見なかったけど」  雪は一旦足を止めて、こちらをチラと一瞥する。
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