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「……まあ、いいぞ。何もないけどな」
俺はゆっくり立ち上がると自室へと歩く。が、雪はそれに続かない。
「…………」
なにやら立ち止まって、こちらを見つめている。
「……どうした?」
「…………変」
ドキィ!! ……ま、まさかもう感づかれたのか!?
「な、何が変だって?」
「やけに素直。……なにか企んでる?」
なんと! コイツ、出来るな。しかし、俺がそんな事態を想定していないとでも思ったか。
ここはいつも通りの反応で大丈夫だ。
「お前が来ることも知らなかったヤツが、一体何を企むって言うんだ?」
「…………それも、そう」
「だろ? まったく……どうしたんだ? いきなり」
俺はブツブツと言いながらドアを開ける。
あまり追求してもまずい。
灯りを点けるとクッションを一対、持ってきて座る。
片方は雪の分である。
しかし、雪はそんなものはお構い無しに俺のベッドの方に腰掛けた。
スルースルー。雪の行動の一つ一つが企みの一部かもしれないのだ。変にツッコンで、それをやめさせるわけにはいかない。
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