第一章 其の二 三人(at Home)

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 ……それにしてもこの部屋、随分暑いな。  いくら夏が近いとはいえ、この時間にもなれば服一枚だと肌寒いくらいなのに。  俺は上着を脱ぐ。  チラと雪に目を向けると、何か言いたげな目でこちらをじっと見ている。  どうしたんだ? 急に脱いだからか? 「……それ」 「ん? ……ああ、これか」  雪が指差したのは、俺の首元から見えている包帯だ。  ――五日前の騒動の名残。  半分以上が自分で勝手につけた傷だと、そう思っているのだが、彼女はどうにも気になるようだ。仕方ないのかもしれないが。  雪は自分から話題を振った割に口を開かない。  覗き込んでみると、どうも浮かない顔をしている。どうやら、無表情なりに落ち込んでいるようだ。 「気にすんな。俺が勝手につけたヤツだ」  しかし、表情は晴れない。
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