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……ものの数分で、包帯は俺の体から雪の手の中に納まった。
傷は、巻かれた包帯の長さや範囲からすれば、えらく小さなものだった。放っておいていいほどではないが、大騒ぎするほどでもない。
これは回復したのか、最初からこんなものだったのか。
どっちにしろ、拍子抜けだ。
「さて、寝なさい」
またか。
しかし、ノリとリアクションが命であるこの俺、如月拓海が断るわけにはいかないな。
……あれ? なんでそんなのが大事だったんだっけ?
いや、でも結局は従う羽目になるんだろうな。
ならば逆らわないのが得策だ。
俺はため息を一つ吐くと、自分のベッドに仰向けに横たわった。
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