第一章 其の二 三人(at Home)

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「……拓海」 「な、なんでしょうか……」  雪は真剣な顔をして俺を見つめる。  ……いや、俺じゃない。俺の頭を見ている。 「その怪我は?」  頭に手を置くと、こちらにもまるで和服の帯の様に包帯が巻いてあった。  ……なるほどね。  ぐるぐると、巻かれていた包帯を外す。  怪我をしていたのは頭、というよりは額辺りで、そういえば、姉さんにやられたんだっけ、と思い出した。  雪は俺の額に手を置いたかと思うと、そのままゆっくりと髪をかきあげてきた。そして体ごと前にずらす。  すなわち、俺の腹辺りに腰を落ち着けている。  あれ、そういえばさっき雪はどんな風に俺の怪我を見てたっけ?  虫眼鏡での観察顔負けな位に、傷口に顔を寄せていたような。  いやいやいや…………さすがにそれはないだろう。  雪は躊躇なく顔をこちらに近づけてくる。  ってキタ────!!  マジな顔して何しようとしてるのコイツ!
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