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白い髪が垂れて、俺の顔に触れる。
なんだろう。女の子特有の、いい匂いがする。
雪の呼吸が聞こえる。息が俺にまで届いている。でも、なんか息遣い荒いような。
彼女のいろんなことが、いつもよりはっきりと分かる。
雪はただ俺をジッと見つめている。
……なんで俺を見てるんだ? 雪は俺の怪我を見たいんじゃなかったか?
よく見れば顔が赤い。
「……拓海」
なんでそんなに甘い声を出すのですか!?
「……は、はい」
雪は真正面から俺を見る。その目は何かを求めているかのようにうるんでいる。
「…………拓海」
今の雪は、なんか……可愛い。
「……なんだ」
雪のまつ毛って、意外と長いんだな。
雪は小さく口を開く。
「………………拓海」
でも、髪が降りてるから、よく見えない。
「…………ああ」
俺は同じように雪の髪をかきあげる。白くて、まるで触れていないかの様に、柔らかかった。
「……………………拓海」
そしてその手で、雪の顔を引き寄せる。
「…………ここに、いるよ」
雪は目を閉じると、もう片方の手を俺の肩に乗せる。
そして、俺と雪、二人の唇が触れ────。
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