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どんなに忙しいときでも、怒っているときでも、面倒だと思われているときだろうと、俺はこんな姉さんを見た事がない。
なんだろう? 怒っているようには見えない。ただ、姉さんの周りに負のオーラが見える。そんな気がする。
どことなく、落ち込んでいるような。
「い、いや、アレはそういうつもりだったんじゃなくて……」
「拓海」
「はいっ!!」
「私にそんな嘘がつき通せると、本気で思っているの?」
言葉に覇気が感じられない。
「あ、い、いや、別に……」
俺に他人のことは言えないが。
「私は今落ち込んでいるの。用がないなら、一人にしなさい」
「……え、と。どうして?」
馬鹿なことを聞いてみた。
あんたバカぁ? と言われるのがオチである。
「ああ。あんたは寝てたから知らないわよね。さっきのは私が雪ちゃんに指示したことなのに、私が邪魔しちゃったから……」
「待て! どういうことだ!? あんたの策略なのか!?」
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