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「策略だなんて人聞きが悪いわねえ。私はアドバイスしただけよ。『ヤっちゃえ』って」
雪の行動がどこかおかしかったのはこのせいか。
「そんな安易なこと言ったら雪は信じるだろうが!!」
実際ヤラれかけたのだから、洒落にならない。
「害があるわけじゃないからいいじゃない。良い思いしたんでしょ?」
「そういうことじゃねえ! 良い思いも出来てねえしな!」
正直、やぶさかではないが。
「あー、そうなの。残念だったわねえ」
姉さんは振り返ってまた台所に向かう。
「本当はどうでもいいんだろ! そこまでして俺をからかいたいのか!?」
トントンと小気味良い音をさせながら、食材を切っている。
「別にー? まさか本当にやるとは思ってなかったし」
「嘘言え! 確信犯だろ!」
俺がどんなに訴えても暖簾に腕押し。正直、言っても無駄な気がする。
あー、疲れる。
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