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何でも知っている。顔立ちは弟の俺から見ても整っている。面倒見もいい。
だが、俺の話をまともに聞くことはないし、一日に一度は俺をからかわないと気が済まない。見た目に似合わず腕っ節が強い。
月卿様の娘である雪の護衛、十人以上を一人で制圧した程だ。
たちが悪い。
あ、そういえば雪を部屋においてきた。
…………少しばかり気まずいが、部屋に戻るか。
聞きたいこともあったしな。
「……できたら、呼んでくれ」
俺は振り返って、自室に戻ろうとした。
「もうできたわよ」
「はやっ! 嘘だろ!!」
「嘘じゃないわよ。だって、もう作ってたんだもの」
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