第一章 其の二 三人(at Home)

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 何でも知っている。顔立ちは弟の俺から見ても整っている。面倒見もいい。  だが、俺の話をまともに聞くことはないし、一日に一度は俺をからかわないと気が済まない。見た目に似合わず腕っ節が強い。  月卿様の娘である雪の護衛、十人以上を一人で制圧した程だ。  たちが悪い。  あ、そういえば雪を部屋においてきた。  …………少しばかり気まずいが、部屋に戻るか。  聞きたいこともあったしな。 「……できたら、呼んでくれ」  俺は振り返って、自室に戻ろうとした。 「もうできたわよ」 「はやっ! 嘘だろ!!」 「嘘じゃないわよ。だって、もう作ってたんだもの」
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