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どうやら姉さんは俺が寝ているうちにすでに帰ってきていて、雪にあれこれと吹き込んだようだ。
どっきりではなかったものの、洒落になっていない。
「雪ちゃん呼んできて」
姉さんは未だに落ち込んでいるようだ。何やらぶつぶつと言いながら配膳の準備をしている。
「入っていくタイミングがよくなかったのかしら……。もっと決定的な……」
……どうやら今回の手口の反省らしい。
からかいネタを本気で熟考するのはやめて欲しい。
というか、さっきの今で雪にどう話し掛けたものか。これでなんか後腐れ残ったらやだなあ。
俺は自分の部屋の前で、扉一つ開くことに躊躇う。
雪は自分からは口を開かないだろうから、俺が言わないといけないのか。
……どうしよう。
いやいや、どうしようとかないだろ! 夕飯に呼ぶだけなんだから。用件をそのまま言えばいい。
……でも、聞きたいこともあったんだが、切り出しにくくなってきた。
立ち往生。
俺は小心者なのだろうか。
「なーにやってるのよ。さっさとしなさい」
一喝される。情けない。
ちらっと振り返ってみると、既に三人分の食事がテーブルに揃っていた。
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