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それに比べて俺の言葉はなんだ。ただ抱えている不満を社会のせいにしているだけだ。
「それは違う。今の社会は確かに私達が作ったものだから。責任があるのは当然」
そんな自虐的な独白を、彼女は否定してくれた。
相も変わらず無表情だが、その声には力が込もっているように聞こえた。
ただ、『私達』と言われたその言葉が、暗に俺とは違うと言われているような気がして、少しだけ辛かった。
「……悪かった。考えなしなことを言った」
「気にしなくていい。言われ慣れているから」
……俺はコイツのことを理解した気になっていたが、実のところ全然分かっていなかったようだ。
「ただ、あなたが外の世界を知りたいということは、決して悪いことじゃない」
「……ありがとう」
現状に対しての不満を誰か、何かのせいにするのは、かなり格好悪い。
今の俺の惨めな気持ちが、そう言っている。
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