第一章 其の二 三人(at Home)

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「つまり、あんたはまだまだ子供ってことよ」  いきなり会話に割り込んできたのは、姉さんだった。 「んなしょーもないことに悩む暇があるならさっさと寝なさい。玄関鍵閉めるからね」 「別にしょーもなくはねえ!」  まるで義務のようなツッコミを入れると、ため息を吐いて立ち上がった。 「……戻ろうぜ」  扉に向かって歩きながら、雪に呼びかけると、彼女はコクリと小さく頷いて後ろからついてきた。  途中チラリと振り返るが、今日も地球はただ黙ったままだった。
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