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朝。
昨夜、雪は当然だが姉さんと一緒に寝たらしい。
しかし、朝一番の彼女は目の下に大きな隈を作っていた。
姉さんの寝相は最悪だからな、おそらく満足に眠れなかったんだろう。
「お――おはよう」
声を掛けてみる。
雪はボーっとしている。返事がない。目は焦点を捉えておらず、髪も心なしかくしゃくしゃと乱れている。
着ているパジャマも第一ボタンが外れて肩までずり落ちて、いかにも華奢そうな鎖骨が覗いている。
一言で言えば、いつもの無表情キャラが台無しである。
寝ぼけているのか?
「……雪?」
「……………………ぅん」
雪は俺に気付いていないのか、体をふらふら~と揺らして目を擦ったりしている。
「…………しずかぁ」
妙に間延びする声で呟く。
正直に言おう。可愛い。
それにしても、朝身内以外の人がいると、どうしてこんなに新鮮な気分になるのだろうか。
そんなどうでもいい事を考えている俺に気付いたのだろうか、雪がとことこと歩いてきた。
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