春風と共に

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足利義昭は織田信長にいつか滅ぼされるのではないか?戦場で生きる兄達にはそんな予感めいた思いがあったのであろう 「まあ~もう信長様の話は終わりじゃ」 景隆が言った 道阿弥の胸の内に何か引っかかりが出来てしまった 話はガラリと変わり子供の頃の話になり兄達は笑いあっていた そしてそんな兄達を横目に道阿弥の心の中でくすぶり始めた思いがジワジワと大きくなっていく物を感じていた ジワジワと大きくなってく物とは道阿弥も戦場に出たいと思う気持ちだった 元々自分から僧侶になりたくて出家した訳じゃ無い兄達と共に戦い酒を酌み交わし合いたいそんな気持ちが道阿弥にあったのである 夕方、日が暮れ始めると兄達は道阿弥との別れを惜しむように帰って行った 夕日に照らされる兄達を道阿弥じっと見つめて手を合わせてお辞儀して見送った
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