春風と共に

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足利義昭は今では15代将軍などと言ってはいるが幼年期は道阿弥と一緒で家督相続から離れて出家をして奈良の興福痔で覚慶と名乗っていた その時、義昭は道阿弥の噂を耳にしたらしい 人柄や武道なども素晴らしく特に忍術は兄弟の中でもずば抜けており甲賀一の忍者だと 命状を受け取り命状と書かれている文字を見て道阿弥は戸惑いを覚えた だがくすぶっていた気持ちには勝てずに一気に心の炎が燃え上がった 「一時時間を下さらないでしょうか?」 京極に応えた 「将軍の命でごさるぞ」 「わかって下ります命に逆らう気持ちは御座らん」 「では何故に?」 「いきなりの事ですので気持ちを落ち着かせる為に座禅を組みたいのですが?」 「わかりましたお待ち致して下ります」 京極は静かに応えた こうして道阿弥は15代将軍足利義昭の家臣となり名を山岡景友と戻した 義昭の期待と信頼は大きく道阿弥はすぐさま山城国半分の守護に命じられた 一夜にしての大出世である だが義昭の家臣となった事により山岡景友は後に兄達と敵同士にならなくてはならないのであるが まだこの時は義昭の家臣になった事に兄達は大に喜んでくれた
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