一握の温もりに身を寄せて

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キッチンに立って、私はいつものように朝食を作り始める。 昨日の残りのロールキャベツを温めて 目玉焼きを焼いて トーストは彼が起きてきてから焼けばいい。 静かなリビングに、太陽の光が差し込んで 聞こえるのは、さっきつけた暖房の音くらいで なにも変わらない日常だ。 どこも、なにも、いつもと変わっていない そのことが、私にはなんだか不思議に思えた。 こんな禁忌な関係を私までもが認めてしまったら、世界がガラガラと崩れ落ちてしまうんじゃないかって…なんとなく思っていたから。 それでも、この世界は、こんなちっぽけな私達になんか構わずにちゃんと回ってくれている。 そのことに、なんだか少しホッとした。 そんなことを思っていると、急に2階のドアがバンッと勢い良く開けられた音がした。 「ーーーーシィ??」 コーヘイの、少し慌てたような声が聞こえる。 返事をする間も無くドドドドっと階段を駆け下りる音が続くと、次の瞬間にはリビングに現れた弟
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