一握の温もりに身を寄せて

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リビングに入って…昨夜散らかしてしまったアルバムを見つけて…改めて昨日のやりとりを実感。 それを片付けながらも昨日の自分を思い出した。 コーヘイの歌を聴いて 自分の気持ちに気付いてしまって 頭の中はゴチャゴチャのまま、彼のライブを途中で逃げ帰ってきて… 家に着いてもどうしたらいいのか分からなくなって… どうしてこうなったのかとアルバムを広げ始めた。 確かに私は昔からコーヘイが大好だったし、コーヘイも私のことが大好きで… でも、そんなの…姉弟なんだから当たり前だって思ってた。 他の家庭よりも仲がいいのも実感してたし コーヘイが普通の弟よりも、姉想いでいてくれてるのも分かってた。 それが、大きくなるにつれて徐々に変わっていって… そして昨日、私達は普通の姉弟ならば決して抱かないであろう気持ちを通じ合わせた。 あの時のコーヘイの顔 絶望の底から突然すくい上げられて『信じられない』って顔をしてた。 でもすぐに、私の顔を見て安心したような…幸せそうな顔になったんだ。 キスをせがまれて、やっとの思いで自分から口付けた時 その時のコーヘイの涙 コーヘイの泣き顔を…私はこの先ずっと、忘れないだろう。
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