一握の温もりに身を寄せて

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「お…おはよう」 「………」 尋常じゃない速さでここまで来たコーヘイは、私の「おはよう」に返事することもなく、ただハァハァと息を切らせながら目を見開いて私を見ている。 その食い入るような表情に、私は困惑。 なにか、まずいことでもあったのだろうか… 「え…ど…どうしたの……?」 「………っ」 コーヘイはまたもや応えずにズカズカと歩いて来て、キッチンに入るなり目を白黒させている私に詰め寄ってきた。 そして私が着ていたシャツの襟を思い切りはだけさせる。 これには私もびっくり!! 「ーーーーちょっ……!!」 口をパクパクさせている私をよそに、コーヘイは切羽詰まったような表情のまま、露わになっている私の右の鎖骨あたりを凝視している。 そして、今度は急にガバッと抱き締められた。 「………っ??」 何が何だか分からない…
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