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「え?」
「もうじき暗くなる刻限です。夜になれば冷えます。私の教会で良いなら、食事も一応用意できますし、寝床もあります。いかがですか?」
別に親切心から言った訳ではない。なるべく目の届く範囲に置いておくべきだと思っただけだ。
こんな辺境にまで来て何をするつもりかは知らないが、この男はどこか怪しい。
「……ふむ。では、お言葉に甘えようかな」
しばらく考えて、男は言った。
「では、行きましょうか」
私達三人は十字路を後にして、村へ向かって歩き出した。
その後ろから、冷たい風が我々を追い抜いていった。
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