退屈

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 ピピピッ、ピピピッ……と、とりあえず着替えていたラークの耳に、壁越しに目覚まし時計の音が届く。    ん、起きたな。    思い、着替えを終えてから部屋を出る。    リビングに出ると、すぐ脇に四十七型のテレビと立派なテレビボードがある。  向かえに三人掛けのソファとテーブルがあり、その向こうにコの字型のキッチンがある。  四百七十リットルの冷蔵庫と、楽に五人分の食器が入りそうな食器棚。  キッチンの脇に食卓テーブルと椅子が三脚。一つは他の二つとデザインが異なる。  キッチンの向こう側にバスルームがある。  玄関はキッチンと反対側にあり、トイレが近くにあって来客の時にもよおすと困る。    隣の部屋からゴソゴソと音がしているので、もうすぐ出て来るだろう。  ラークはそう判断し、ソファに座ってテレビをつけた。  彼が見るのは、まずは天気予報。次はニュース。それ以外のバラエティーやドラマにはあまり興味がない。   「……おはよう」    欠伸をしながら、ガルクが出て来た。   「おはよう」    間抜け顔だな、と思いながらラークは返す。
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