退屈

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 やっと始まった天気予報によると、今日も晴れ。夕方にスコールの可能性があるとの事だった。   「あ~、また暑くなるんだな」    暑さに弱いラークがうんざりと呟く。   「三十二度なんてまだ涼しいだろ」    ガルクは苦笑しながら、ラークに櫛を手渡し、ラークは受け取って、髪を梳かす。  以前、髪は伸びっぱなしでふくらはぎまであったが、先月腰辺りまでバッサリ切った。  かなりの長さを切ったのだが、腰までの髪も十分過ぎる程に長く、言わないと切った事に気付かれない。   「今日って何か予定あったか?」    髪を梳かしながらラークが言う。ガルクは壁にかけられたカレンダーを見て確認する。   「ないな。全く」   「ってか、聞いといて何だけど、予定らしい予定なんてあったっけ?」   「あるぞ。来年の四月にハンター試験」   「それ言ったら、車検と免許の更新と俺の病院もあるだろ」    ラークは苦笑だったが、ガルクは笑っている。   「仕方ないだろ? ホントに何もないんだから。仕事も入ってないしな」    言ってガルクは困った様な顔をして笑う。
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