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「自分で気付かなかったのか?」
「あの頃は自分の体調なんてよく解らなかったからな」
ケロッと話すラークに、ガルクは変わらず苦笑いする。
「あの時はいきなり血吐いて倒れるから、何事かと思ったぞ?」
「ああ、俺も思った」
真顔で言うラークに、ガルクは苦笑いしながら顔を引き攣らせる。
「もう二度と、いきなり吐血して倒れたりするなよ?」
呆れ気味に言い、ガルクは朝食を作るべく、立ち上がる。
「ははっ、ハンターやってる間は約束出来ないな」
困った顔で答えるラークに、ガルクは盛大なため息をする。
「……あのなぁ、そこは約束するところだろ? 守れなくて良いんだから」
「ん? そうだったのか?」
「そうだったんだ」
「じゃあ、約束する」
ニコリと笑って言うラークに、ガルクは再びため息をついて苦笑する。言っても無駄だと思ったからだ。
「なんか変な事言ったか?」
ラークはキョトンとしてガルクを見上げる。
「言ってない、大丈夫だ」
やれやれと呟き、ガルクはキッチンに向かう。ラークはもう気にしていない。
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