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朝食はフレンチトーストだった。
またパンか、とラークは思うが、それほど気にはしていない。
「いただきます」
手を合わせ、軽く頭を下げてからラークは食べ始める。
微妙に焦げてはいるが、馴染んだ味に特に不満はない。
「ほら」
「ん? ありがとう」
コップに注がれたミルクを受け取り、ラークは一口飲む。
ガルクはその間に座り、食べ始める。
「ここずっと仕事ないよな。最後に仕事したのいつだっけ?」
食べながらラークが問いかける。
「えっと、二ヶ月前だな」
「ギャスカリスはいつだっけ?」
「あれは四ヶ月前だな」
「結構経ったな」
「そうだな」
同居を始めて三年半、二人の会話は少なくない。
下らない会話から、仕事の話、ニュースの話と、取り留めのない話がほとんどだ。
だが、知り合う以前の話と、将来についての話は極端にしない。
ラークは将来に全く興味がなく、ガルクはラークの過去を聞くに聞けず、突然ぽつぽつと語る話を聞く程度しか知らない。別に避けている訳ではない。
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