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部屋に戻ると、片付けを終えたラークはソファに座り、ぼーっとテレビを見ていた。
ニュースもやっていないらしく、地域密着型のバラエティー番組だった。
「……面白いか?」
税金があーだ、夫の給料がこーだと愚痴る、主婦の電話相談コーナーだったので、ガルクは思わず尋ねる。
「全然」
ラークは心底興味なさそうに返事をする。
「他の見れば良いだろ?」
「他ぁ?」
ガルクが座りながら言うと、ラークが欠伸をしながら返す。
「時代劇にテレビショッピングに、訳の解らん映画とアニメだぞ?」
「興味ないってか?」
「ああ」
バサリと新聞を広げ、ガルクは、やれやれ、と呟く。
「あ~……それにしても暇だ」
「そうだな」
主婦の長い愚痴が流れ、ラークが欠伸をし、ガルクは黙って新聞を読む。
「あ」
「どうした?」
ガルクが突然声をあげ、ラークがゆっくり振り向く。
「そうだ、武器とか買いに行かないか?」
「ああ……そういやぁ、あの長衣も、もうそろそろ出来る頃だっけか?」
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