地球連合政府

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いわば、研究チームからすれば章は特別扱いで入れたようなものなのだ。 隼人「うるさい、きちんと聞いた!・・・・・それより、レポートをまとめたらどうだ?」 岡元隼人主任は、ベイブリッジ大学を主席で卒業し、村場エンターテインメントに入社した人物で、章のような高卒や低学歴は生理的に受け付けない、いわばリーダーの器でない人物だったのだ。 章「はい」 最初こそ、えらく落ち込んだものの最近はなんとか、そんな境遇になれた章が早速レポートに取りかかった。 だが、そんな哀れな章にも救いはあった。 章「マサさん!」 マサ「はいよ~」 かつて、エンタープライズで共に戦った戦友である、鈴沖敏正がいたことであった。 章「レポート手伝って~」 マサ「あいよ」 マサがそう言って、ベビースターラーメンを抱えながら章に歩み寄った。 マサと言えば、前大戦エンタープライズの女子更衣室で寝るという奇行が思い起こされる。 勿論、村場はマサのそうした奇行を知っていてスカウトしていた。 女子更衣室で堂々と寝させてやるとの条件もつけられ、夢のような職場だと張り切ってマサはエンタープライズを後にした。 しかし、現実は女子更衣室とかかれた未使用の更衣室をあてがわれただけであり、契約違反との異議を申し立てようにも、元々異常な要求ゆえ、聞き入れられる訳もなく、説得してくれる竹がいる訳でもなく、マサには泣き寝入りしか残されていなかった。 マサ「あの頃が懐かしい・・・・」 過去の夢のような境遇を思い出すマサ・・・・・過去に捕らわれいまや『あの頃が懐かしい・・・』は、すっかり口癖と化していた。 章「いい加減あきらめなよ・・・・・・・・契約書にサインしちゃったんだし」 マサ「くそう!・・・・・・俺のエンタープライズ・・・」 マサがレポートを高速で書き上げながら、そう言って泣き始める。 そんなマサを見つけて、プロジェクトチームの一人が歩み寄って来た。 マサ「ミンハイ、お疲れ」 マサが歩み寄って来た女性、ミンハイに声をかけた。 ミンハイ「相変わらず、ベビースターラーメンをつまみにレポート手伝っているのね?」 中国国籍で、いわばアジアンビューティーなショートヘアーが印象的な女性、それがミンハイであった。
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