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ミンハイは、高学歴で必死にプロジェクトチームに入ろうと努力した女性だったが、岡元隼人主任達とは違い、いわば特別扱いでプロジェクトチームに入った章とマサには、好意的に接してくれる唯一の存在であった。
マサ「ミンハイ~・・・・・・お前の部屋で昼寝させて」
章「コラッ」
マサがついに、耐えかねて手短にいい匂いがしそうなミンハイにダメもとで当たった。
ミンハイ「昼寝ならいいわよ・・・・・・・・・・ただ、私物は持ち込まない事と、散らかさないならね」
ミンハイがそう言って、マサを見た。
章「・・・・」
章が唖然としながら、スキップでミンハイの部屋へ向かったマサを見た。
章「・・・物好きって、いるんだな・・・・・」
章が思わずそう呟いた。
竹がいれば『一番の物好きは、タイヤと付き合ったお前だ!!』と言われそうだ。
しかし、マサは意外にプロジェクトチームの女性達から人気者だった。
女子更衣室で寝るという奇行を封印して以来、多少の奇行はあるもののプロジェクトチームの高学歴な女性達に、マサのそうした奇行が面白いと映ったのだ。
勿論、ミンハイもその一人だった。
章「はぁ・・・・・・絶対、地球に帰還したら退職願いを出そう・・・・・・・・」
章が頭を抱えながら、そう呟いた。
2010年8月10日、プロジェクトチームはフェバットの護衛艦隊と別れて、それぞれの割り当てられた惑星に降下した。
章の所属する、村場エンターテインメント株式会社所属のチームは、カスケード恒星系の惑星の一つであるティアマト星に到着していた。
(ティアマト星)
章達のプロジェクトチームは、約一年に渡る長期の調査なため、研究施設と生活施設を作るために作業メカを出していた。
ミンハイ「気体などの惑星環境は、四季のない秋の地球に近いわね・・ヘルメット無しでも歩けるわ」
地学の専門家であるミンハイが、惑星環境を調べて隼人リーダーに報告した。
隼人「ご苦労」
章とマサに厳しい隼人リーダーも美人には弱いらしく、鼻の下を伸ばして精一杯優しい声でミンハイをねぎらった。
マサ「仮説施設は完成だ」
ビットを80体同時に操り、マサが高速で仮説施設を建築した。
ミンハイ「マサすごい!!」
スタッフ「ビットを使える人間がいたというのは、本当だったのか・・・」
隼人「理屈じゃない」
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