防人の唄

12/21
前へ
/1182ページ
次へ
通信機を奪い取ったピニスを、ミンハイが険しい表情で見る。 ピニス「お願い・・・・・・彼には・・・・・」 ミンハイ「あなた一人の問題じゃ、無いでしょう!?」 ピニス「さ、作戦が近いのに・・・・・・・・ガイの・・・・純平の心を乱したくないの!」 ミンハイ「でも!!」 ピニス「お願い!!」 ピニスが、涙目でミンハイに訴えかける。 ミンハイ「・・・」 ミンハイが困り果て、とりあえず椅子に座る。 ミンハイ「まだお腹も目立たないし、特徴が現れてないから・・・・・・・かなり不安定な時期よ」 ピニス「・・・・・」 ミンハイ「まずワープ航法、出撃は無理よ」 ピニス「でも・・・」 ミンハイ「なら今すぐ、降ろしなさい!」 ピニス「!?」 ミンハイが、強い口調でピニスにそう言い放つ。 ミンハイ「生むつもりも、守ってあげるつもりも無いなら、赤ちゃんが可哀想よ!!・・・・・・だったらきっぱり、諦めてあげなさい!!」 ピニス「・・・・・・」 ピニスが涙で、両目を真っ赤にする。 自分の中で、結論が出せないのだ。 ミンハイ「それにこのデータは、どっちにしろ本間元帥も知るのよ?」 ピニス「!」 ミンハイ「ねぇ・・・・・・とにかくガイ君だけでも呼ぼう?・・・・・・その子のパパは、ガイ君なんでしょう?」 ミンハイが今度は優しく、諭すような口調で、ピニスにそう言う。 ピニス「・・・・・・・・わかったわ」 ミンハイ「じゃあ、呼ぶわね」 ミンハイが通信機をピニスから受け取り、すぐにシミュレーションルームにいる筈のガイを呼ぶ。 数分してから、血相を変えたガイが、全力疾走で医務室に駆け込んで来た。 ピニスが医務室にいて、緊急で呼び出されたため、ピニスが事故やアクシデントに、見まわれたと考えたのだ。 ガイ「ピニス!!大丈夫か!?」 ピニス「!」 ミンハイ「ガイ君」 ガイがピニスに近寄り、すぐさま無事を確かめる。 ガイ「どこを怪我したんだ!?」 ミンハイ「ガイ君、ピニスちゃんは怪我じゃないの・・・・・・・」 ガイ「?」 ミンハイがピニスを見る。
/1182ページ

最初のコメントを投稿しよう!

70人が本棚に入れています
本棚に追加