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いくらバックにいる企業は違えど、目的は共通にして、人類の進歩はどこが活躍しても変わらない。
つまり、どこが成功しようが、他から入ってくる情報は喜ばしいものなのだ。
ただ一人、主任の岡元隼人主任を除いては・・・・・みんなの喜ぶさまに、不機嫌そうな顔に隼人が変わった。
隼人「ささ、俺たちもさっさとまとめるぞ!他に遅れを取ってたまるか!」
カレラ「まぁ、そうだな?・・・・・・・・・しかし、他の研究成果は把握しておくに限る」
カレラがそう言うと、みんなが研究報告に目を通した。
マサ「へぇ・・・・・・・・・・・なんだか、環境レベルから見たらうちの星があたりみたいだな」
ミンハイ「たしかに!酸素もきちんとしているし、宇宙服無しで出歩ける惑星は、今のところうちだけみたいね」
ミンハイが笑いながら、マサの手にもつ報告を眺めた。
章「・・・・・・・・・・」
相変わらず、章がマサとミンハイの組み合わせを不思議そうに眺める。
勿論、周りのスタッフ、研究メンバーも同じであった。
隼人主任もそんなミンハイとマサを見て、おもいっきり面白くないといった顔をしていた。
章「主任、明日は八式で惑星上空からの撮影を行いたいと思うのですが」章がそう言って、隼人に歩み寄る。
隼人「・・・・・・・・・・・・・」
章「ぅ・・」
隼人が不機嫌そうに、章を黙って見た。
隼人「・・・・・・・・ふん、お前の専攻はシステムエンジニアだし、機械技術者だ・・・・・・・・・・・やることさえキッチり済ませば、お前の仕事はない、勝手にすれば良かろう」
隼人主任が章を見下しながら、そう言った。
章「!」
章が舌打ちをするが、隼人は章が眼中にないらしく、そのままモニターを黙って注視した。
章『腹立つなぁ!』
章がイライラしながら、みんなの研究スペースを後にした。
2010年8月14日、章達の研究チームが惑星ティアマトについてから、数日が経過していた。
ミンハイの地質部門は、見事に惑星探索において成果を見せていたが、そのほかの部門では、大した進展はなかった。
生物学部門のカレラも、生命が生きられる環境にあるのにも関わらず、惑星ティアマトには生命の痕跡が見つけられなかった。
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