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外敵
地球とフェバットの共同プロジェクトである、外宇宙開発計画も数ヶ月が経過していた。
章とマサが所属する研究チームも、カスケード恒星系第5惑星、ティアマトに降り立ってからもはや1ヶ月以上が経過し、2010年10月10日になっていた。
(ティアマト星)
外宇宙開発プロジェクトに参加していた研究チームも、最初は大気や地質の調査において成果を上げていたが、他の分野においては全くの空振りを見せていた。
隼人「ふぅ・・・・・・・・どこもかしこも似たようなものか」
隼人主任が各研究チームから寄せられた情報に、目を通していた。
今や、各研究チームにはライバル意識はなく、すでに綿密な連絡と連携がなされていた。
マサ「相変わらずみたいだなぁ?」
ミンハイ「全く、どこも同じみたいよ」
ミンハイが戻ってきた。
どうやら、マサもミンハイを手伝っていたようで、一緒に仲良くご帰宅となった。
隼人「?・・・・・・・おいミンハイ、鈴沖、お前ら第9惑星の報告を知らないか?」
隼人主任が一カ所だけ、報告がないことに気づき、二人を見た。
マサ「今日は、まだ来てないはずだよ」
ミンハイ「珍しいわね?・・・・・・・・・・・アソコは、他と比べても完全に成果が見られない惑星だから、報告内容は以下同文みたいでいつも真っ先に提出しているのにね?」
ミンハイが不思議そうに、自分のコンピューターを機動して情報を見る。
隼人「そうなんだよ・・・・・・・・・・・珍しく、まさか成果を上げたわけじゃ・・・」
みんなが肩の力を抜いている中、まだ隼人主任だけが他の研究チームにライバル意識を持っていた。
マサ「いや、ただのトラブルかもしれないぜ?・・・・・・・・・・」
ミンハイ「かもね・・・・・・主任、通信をしてみますか?」
隼人「他がやるだろ?」
マサ「まぁまぁ、やってやっても損にはならんし、もし奴らが成果を上げていたとしたら、うまく行けばいち早くうちらにも入るぜ?」
マサが隼人主任にそう言うと、隼人が渋々ながら通信をする。
隼人「?・・・・・・・・・あれ?」
第9惑星の研究チームに通信していた隼人主任だったが、なかなか応答がない・・・・・。
ミンハイ「まだ通信に出ないの?」
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