外敵

10/18
前へ
/1182ページ
次へ
(ティアマト星) 2010年10月16日、第4惑星研究チームと第3惑星研究チームからの通信が途絶え、すでに残っているのは、章とマサの所属する第1惑星研究チームと第2惑星研究チームの2つだけとなっていた。 最初は、自然現象に望みをかけ、救援を待っていた仲間達ももはや、明日は我が身と言わんばかりに表情は暗く沈んでいた。 隼人「くそ!」 カレラ「万全の対策はした、これでダメならあきらめるしかないな」 カレラがそう言って、すべてを受け入れると言わんばかりに、覚悟を決めた顔をする。 ミンハイ「・・・・・・・・・・」 ズゥゥン! 外から、重たいものが地面に沈むような音がした。 隼人「な!?なんだ!?」 ミンハイ「ついにい、隕石!?」 カレラ「ぐ、ハンドガンを!」 カレラがすぐさま、ハンドガンをみんなに回した。 隼人「い、行くぞ」 隼人主任がそう言って、一番に外に出た。 仮設研究所のすぐそばには、この惑星についてすぐの生物調査の時に、カレラと章が見つけた戦艦の残骸があった。 隼人「な!?・・・・・・・何だこれは!?」 みんなが驚きながら、呆気にとられる。 章「隼人主任!みんな下がって下さい!」 章の八式カスタムが、残りのパーツを抱えて降りてきた。 隼人「何をやっているんだお前ら!?」 隼人主任が事情が飲み込めずに、そう声を張り上げて尋ねた。 マサのみんなのたてが、ゆっくりと降りてくる。 マサ「章から、動力源がまだ生きている戦艦の残骸があるときいて・・・・・・・・・・これを可能な限り、補修しようと思ってな」 マサがそう言うと、みんながポカンとする。 章「惑星を脱出できなくても、この戦艦が機能してくれれば、装甲を考えても仮設研究所よりは、いいかなと」 隼人「なんで許可を取らない!」 隼人主任がいつものように、章を怒鳴りつけた。 章「す、すいません!!一刻を争ってますからつい!!」 隼人「だから、なんで言わなかった!」 章「へ?」 隼人「スタッフを全員集結させろ!」 隼人主任がそう言うと、みんなが戦艦の残骸に群がって作業に取りかかった。 隼人「俺達だって、手伝えることはあるんだからな」 隼人主任がそう言って、自分は研究所に戻った。
/1182ページ

最初のコメントを投稿しよう!

70人が本棚に入れています
本棚に追加