外敵

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マサ「わかるか?・・・・・・この戦艦には、女子更衣室がないんだぜ?」 マサが笑いながら、章につぶやく・・・・・マサの性格とエンタープライズにいた頃の奇行を考えると、その話しはマサにとって笑い事じゃないように章には思えた。 章「それってさ・・・・・・・・・・・・・お前からしてみたら、死活問題じゃないのか?」 マサ「・・・・・・・・・・・エンタープライズの女子更衣室ならばな・・・・・・・・・だがここは違う!!」 マサの表情からは、微笑みが失せて拳を握りしめながら、苦い表情になった。 マサ「ここにあるのは、新品のワックス臭しかしない更衣室ではないか!!」 章「!」 マサがそう言って、いかにワックスの匂いがトラウマになりかけたかを章にアピールした。 マサ「ああ、ワックス臭が体に染み付いて離れなくなりそうな、あの悪夢のような感覚がお前にわかるか?」 章「俺は、ドノーマルだから、全くわからないけど・・・・・・・」 章がマサに答える、もしこの場に竹がいれば『タイヤと付き合った時点で、取り返しのつかないアブノーマルだ』と突っ込んでいたかもしれない。 章「ちょっとまてよ・・・・・」 章がマサから話しを聞くうちに、何かに気がついた。 マサ「?」 章「お前の自室は、更衣室だったのに・・・・・・・・・・・」 マサ「・・・・まだ気がつかないか?」 章「?」 マサ「全く、竹の言うとおりなかなかの鈍さだ」 マサがそう言うと、ニヤニヤしながら章に向き直った。 マサ「この戦艦の部屋数を理由に、ミンハイとの相部屋が決まった!!」 章「ええええええーっ!?」 章が今月一番の叫び声をあげた。 マサ「なんだかんだで、俺にベタベタしてくるミンハイだったが、どうしても部屋では昼寝か膝枕までしか許してくれなかった」 章「い、意外に純情な女性・・・・・・・・・じゃなくてお前!」 章がマサを見ると、マサはもはやミンハイの部屋に持っていく枕を抱えていた。 マサ「いい夢が久しぶりに見れそうだ」 章「むしろいい事が出来そうだろう!?」 章がキレのある突っ込みを見せた。 さすがは、竹の友人という所か、感覚や突っ込まれるまでの間合いは、見事竹と同じだった。 章「てか、お前本気でミンハイと付き合ってるの?」
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