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久野「クジョル中将、フェバットのレヒト皇帝陛下からは?」
久野元帥が自分の腹心であり、地球連合軍議会の副議長を勤める連合軍議会最年少の軍人を呼んだ。
クジョル「はい・・・・・・・・レヒト皇帝陛下からは、フェバット艦隊が他の惑星に駆けつけたところ、やはり他と同じように遺体どころか、施設の残骸すら見あたらなかったようです」
クジョル中将が報告を読み上げる。
久野「・・・・・・・・・確か、第9惑星はまだだったな?・・・」
クジョル「はい、明日フェバット艦隊が到着する予定です」
久野「一番最初に、通信を途絶した惑星だし、一番時間が経過してしまっているし・・・・・・・・・・・収穫は、なさそうだな」
久野元帥がため息混じりに、呟いた。
クジョル「元帥、一応迅速な対応をしてくださったレヒト皇帝陛下に、感謝を・・」
久野「無論だ、私自ら通信をする」
久野元帥がクジョルに答えた。
クジョル「しかし・・・・・・・・一体なんなんでしょうね?・・・・・・・・・・・・・唯一の生存者がいた一番惑星のティアマトプロジェクトチームのメンバーは、変な卵から出た液体に体を乗っ取れたと報告がありましたし・・・」
久野「まるで漫画だな」
クジョル「どうします?・・・・・・・・・・・訓練公開中のエンタープライズの第三艦隊をそのまま、最前線におくのはいささか不安が・・・・・・・・」
クジョル中将がそう言うと、久野元帥が考える。
久野「・・・・・・・・・いや、わずかばかりといえ現時点で現場や状況を一番知っているのは、プロジェクトチームの生存者と、エンタープライズ、そしてフェバット艦隊ぐらいだ・・・・・・・・・・・・・慣れない不慣れな新入りばかりの艦隊で、本間には申し訳ないが、最前線にいてもらうしかなかろう」
久野元帥が冷静に判断する。
クジョル「では、第三艦隊には、引き続きカスケード恒星系の調査任務に当たらせます」
クジョル中将がそう言うと、久野元帥が頷いた。
(第9惑星)
2010年10月23日・・・・カスケード恒星系、第9惑星にようやくフェバット艦隊が到着していた。
他の惑星に駆けつけた仲間の艦隊から、生存者はティアマト惑星だけと聞いていたため、一番時間が経過していた第9惑星の生存は絶望的だった。
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