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ある町のある公園。
田舎でもなければ都会でもない。そんな平凡という言葉のよく似合う住宅街。そんなところにあるこれまた広いわけでもなければ、狭くもない公園。そこに、小学校の低学年くらいの男の子と女の子がいた。
沈みかけている夕陽。2人は遊び疲れたのか、ベンチによりそって座っていた。
そんな2人の前を20代くらいの若いカップルが仲むつまじく寄り添いながら通っていく。
それを見た女の子は男の子を見つめながら唇を震わせる。
「タスキくんは好きな人いる?」
タスキと呼ばれた男の子はその質問に無垢な笑顔を見せながら答える。
「うーんとね、お母さんとお姉ちゃんかな!」
「私は私は!?」
女の子は目を輝かせ、身を乗り出すようにして尋ねた。
「うん! クルミちゃんも好きだよ」
男の子はさっきと変わらない笑顔でそう答える。
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