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男の子の言葉を聞いた女の子はさっきよりさらに目を輝かせた。そして、男の子の言葉を噛み締めるように胸の前で両手を握りしめ、目を瞑る。
そんな女の子を不思議そうに見つめる男の子。しかし、そんな男の子の表情も優しい笑みへと変わる。
男の子の瞳に映る女の子は割れ物のように脆く、そして儚げだった。
“守ってあげたい”
女の子の映る瞳にはそんな男の子の意志がみえた。
「私、大人になったらタスキくんのお嫁さんになる!」
女の子はパッと顔をあげると、満面の笑みで嫁入り宣言をした。
さすがに男の子もこれには驚いたようで、鳩が豆鉄砲をくらったような表情を見せる。
「私じゃダメかな……?」
不安気な弱々しい声で呟くと潤んだ瞳で男の子を見つめる。
男の子はそんな女の子にしばらく見とれたあと、ハッと我に返り頭をブンブンと横に振った。
「クルミちゃんがお嫁さんに来てくれたら、僕うれしいよ!」
女の子はそれを聞くとさっきまでの不安気な表情が嘘のように満開の笑顔を咲かせた。
「それじゃ、約束! 私とタスキくんが大人になったら結婚しよっ!」
そして、小指を立てて男の子に突き出す。
「うん!」
そう言って男の子は勢いよく頷くと、自分の小指と女の子のそれを固く結んだ――――
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